複言語・複文化の家族における親のケアと夫婦関係のケア

投稿日(Posted on): 2024年5月24日 | 最終更新日(Last Updated on): 2024年5月27日 by 河野傑

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はじめに

複言語・複文化環境での子育てや家庭生活でお困りではありませんか?

海外での生活は魅力的な機会ですが、文化の違いと言語の壁が家族関係に新たな試練をもたらすこともあります。

特に、親としての役割や夫婦間のコミュニケーションに影響を及ぼすことがあります。

   

妻の実家で感じた孤立感

私自身、東南アジアでの生活のなかで,孤独感や役割の希薄化を感じたことがありました。

母国ではないアウェイという環境で,子どもたちに日本の価値観や習慣を教えることの難しさを痛感しました。

また,メイドさんや妻の母親を始め多くの親戚や友達に助けられましたが,家族のサポートに依存しがちで、父親として自らが教育的な役割を果たす機会が少なく,孤立した感覚になった思い出があります。

   

ケアの方法

これらの課題に対処するため、個人のケアとして,コミュニティへの参加,もしくは趣味や共通の関心ごとを通した交流などによって,ストレス解消し,自己表現の場を持つことが重要です。

人々とのつながりを深め,自分自身を客観的に知ることができ,自分はひとりではないと振り返る機会になることでしょう。

また、夫婦関係のケアとしては、カップルセラピーやカウンセリングを利用したり、短くても定期的に二人だけの時間を設けたりすることで、お互いのニーズや期待を共有し、理解を深めることが大切です。

家族のあり方や方向性を話し合う機会になります。

   

直線的な一方通行ではない因果関係 “円環的因果関係”

家族療法の観点から、サルバドール・ミニューチンが提唱した「円環的因果関係」は、家族内の問題が単一の原因ではなく、相互に影響し合うことを示しています。

原因は自分だけにあるわけではないのです。

この理解は、複言語・複文化の中で生じる家庭内の葛藤にも応用でき、問題解決のための多角的なアプローチを可能にします。

また,家族関係において取り組めるところから始めて,少しの変化を加えることで,その効果は循環的に波及していきます。

   

セルフコンパッション”自分への思いやり”

さらに、クリスティン・ネフが提唱する「セルフコンパッション」は、自己理解と優しさを通じて心の回復力を強化し、ストレスに対する耐性を高めるものです。

自分を過剰に責めることで,悪いと思い込んでいるクセを修正や矯正しようとすることは,効果を期待しにくく,何よりも精神的につらいのではないでしょうか。

それよりも、自分に対して思いやりを持って接することで、新たな気づきを得て前に進むことができるのです。

   

最後に

このように,大倉山カウンセリングでは、相談者様とそのご家族が直面する困難に対処し、解決策を見つけるお手伝いをします。

一緒により健康的で満足のいく家庭生活を送るための支援を提供します。

   


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