相関関係と因果関係の違いを理解して,ネガティブな反すう思考を手放す

投稿日(Posted on): 2023年12月6日 | 最終更新日(Last Updated on): 2024年5月20日 by 河野傑

「◯歳で〇〇ができる子どもさんが多く見られた」と「◯歳になったら、〇〇ができるようになる」の違いについて,わかってはいるけれど,発達には個人差があるということを再度確認します。


「どういう子育てをしているのかしら」といぶかしがられたことがありますか?

   

そんなふうに直接言われなくても、注意されたり、嫌な顔をされたり、態度で示されることがあります。あるいは、「〇〇したらいいんじゃないの」という助言であったり、「まだ〇〇できないのか」という叱咤をいただくことがあります。

   

言われることは、子どもの素行だったり、子どもの勉強の遅れだったり、発達の遅れだったりすることもあります。

これらの原因が、親による子育てにあるかのように言われることがあります。子育てが、親による子育てが100%になっていないでしょうか。子育てには、子ども側の育ちも当然あるわけです。しつけの背景には、子育てという行為が、「親による子育て」が100%になってしまっているからこそ、親がコントロールしなければならないと無意識に思ってしまうふしがあります。

そして、自分の親の評価や世間の目を気にしてしまうことにつながるのだと思います。だからこそ、しつけにうるさかったり、幼児教育に躍起になるのかもしれませんね。

   

しかし、「子ども側の育ち」と「親からの子育て」は、別々に考えた方が良さそうです。発達のプロセスやスピードには個人差があります。発達心理学でよく言われる、「◯歳になったら、〇〇ができる」というのは、一般的な傾向です。一般的な傾向というのは、データを集めて、ある事柄について、多数のところを取り出して説明しているわけです。人間は多様ですから、データは散らばっていて、多数でない部分も当然あるわけです。データを集めて並べて、多数の部分に関して、「◯歳で〇〇ができる」としているのです。「◯歳で〇〇ができる子どもさんが多く見られた」くらいの意味合いです。「◯歳になったら、〇〇ができるようになる」わけでもありません。本来、「◯歳になったら」というわけでなく、時間の経過に原因があるわけではありません。

これが、発達には個人差があるということです。確かに、発達にはある程度の決まった道筋のようなものがあると見受けられます。でも、発達には個人差があるということです。発達心理学の知見の一部が切り取られて勝手に語られているのです。

   

公共の場においては、規範意識や受忍限度は人それぞれですから、規範的に厳しい方だったのでしょう。そこは気をつけなければなりません。でも、「どういう子育てをしているのかしら」といぶかしがられても、親である自分を責めることはありません。

   

まして、自分の子育て間違っていたと思い、自分を責める必要はないのです。


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