ずっと生きづらかった
「思いやり」という言葉は、他者に対して持つものという印象がありませんか?
「セルフ・コンパッション」という心理学の新しい分野では、他者だけでなく、自分にも同じように思いやりを持つことの大切さが述べられています。
私自身、「自己肯定感が高くなければ、よりよく生きられない」という意識のあまり、自己評価を高めたい、自尊心を高めたい、自己受容したい、自己肯定感を高めたいと思って、どつぼにハマっていました。
目標を立てて、頑張って達成すれば、自己評価が高まるだろう・・・
自尊心(セルフ・エステーム)を高めるには、これとこれをやって・・・
生きづらいのは、自己受容が足りないからだ。だから、とにかく自分を受け入れるんだ。
目標が高すぎるんだ。もっと現実的で地に足のついた目標にしよう、そうすれば自己肯定感も高まるはず。
ダメな自分
失敗ばかりの自分
でも内心、そんな自分、正直あんまり受け入れたくないかも、なんて思っていました。
コーチング、セミナーなど様々なところに行きました。
低い自己評価、低い自己肯定感を認められていなかったのですね。
一番大切な視点である、今ここの自分の考えや気持ちを認めていなかったんですね。
その結果、自分への怒りだったり、罪悪感といった感情に飲み込まれて、ぐるぐると考え過ぎてしまう思考に囚われてしまっていました。
今ここの自分の考えや気持ちを認めていなかったんですね。
自分を思いやるって、自分を客観的に見ることができていてこそできることなんですね。
自分の気持ちや考えを「」(かぎかっこ)の中に入れることからスタート
例えば、「自分ってダメだな、こんな自分って嫌だな」とずっと思ってきとしたら、
瞑想をしてマインドフルネスになって、「自分は”自分ってダメだな”って思っているんだね、自分のことを嫌っているんだね」というように、自分の気持ちや考えを” ”の中に入れることからスタートしましょう。
自分の考えや気持ちをわかってあげる。
友達のことのように理解する。
そんな感覚です。
賢明な読者の方は、「自分は”自分ってダメだな”って思っているんだね、自分のことを嫌っているんだね」って、””に入れて客観的に思って、それで?と思うかもしれません。
「そんなことで自分は変わらないよ」って思うかもしれません。
少なくとも、「自分ってダメだな」っていう考えからは離れることができます。
自分ってダメだなって思って、どうすればダメじゃなくなるか対策を考えて・・・というのではなく、
自分のことをダメだって思っているんだね。
自分のことを嫌っているんだね。
自分はダメって、責めているんだね。
これまでも責め続けてきたんだね。
そういう、自分への理解が積み重なっていくと、
滴が滴り落ちるように、
「とてもつらかったんだね」
「本当に苦しかったね」
という想いがぽたりと落ちてきます。
自分を肯定するのでもなく、自分を好きになるのでもなく、ただ今のこのの自分を「こうなんだね、こう思っているんだね」と認めていく。
認めるという言葉がかたいのなら、「わかる」でもいいですよ。
結論を出さないで、気持ちや考えに寄り添う
自分を好きになる、自分を肯定する(あるいは自分のことを肯定できるようになる)というのを目標(ゴール)しないということです。
自分を好きになれないのなら、好きにならなくてもいいと思います。
ただ「自分のことを好きになれないと思っているんだね」と、わかってあげてください。
自分を肯定できないのなら、それでもいいと思います。
ただ「自分のことを否定し続けてきたんだね」とわかっていく。
ただただどう思っているのか、どう感じているのかを認めてください。
自分のことを好きになるにはどうしたらいいか、自分のことを肯定するにはどうしたらいいか、結果を出したい、答えを出したいという気持ちは大いにわかります。でも、そうした現状を変えようとする問題解決よりも、まず今ここでの自分をわかってあげる。
そうした一歩一歩の積み重ねで逆説的ですが変化が出てきますよ。
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